車輪の軸

28歳サラリーマンの、趣味や日々のあれこれ。

好きな音楽の話 ①indigo la End

 ようやく、冬らしい気候になってきた。寒すぎるのはきついが、冬生まれだからなのか、そんなに嫌いではない。

 

 今回は趣味の話。

 

 高校からドラムを習い始め、大学でバンドサークルに入った。バンド漬けの大学生活のおかげで、音楽に対するアンテナが高くなり、社会人になっても日々発掘している。

 

 そんな中でも、自分にとって絶対外せない5アーティストを、5回に分けて紹介したいと思う。第1弾は、寒い冬に聴きたくなる、このバンド。

 

indigo la End


indigo la End「悲しくなる前に」

 

 男性4人組の邦楽ロックバンド。世間を色々と騒がせた(笑)、川谷絵音さんがボーカルを務める。「ゲスの極み乙女。」の方が知名度は高いが、こちらのバンドの方が早く活動していた。

 失恋ソングの要素が強いが、とにかく絵音さんの作るメロディが素晴らしい。多くの曲に、「喪失」というテーマを強く感じる。失っていく過程であったり、失った後の虚無感だったり、何かを諦めた瞬間だったり、それは恋愛に留まらず、人生や生き方だったりと、1人の人間のあり様を浮かび上がらせる。

 曲自体を聴くと、どちらかといえば少し暗い印象を受けるが、インタビュー記事などを読むと、歌詞や曲の雰囲気とは違い、本人は結構明るく社交的な印象がある(自称「人見知り」のようだが)。ライブのMCもすごく喋る。

 

 このバンドは非常に高い演奏力を持っている。特筆すべきは、リズム隊。技術の高さはもとより、黒人的なグルーヴを備えていて、曲に深みを出している。ドラムスの佐藤栄太郎さんは、圧倒的かつ変態的に上手い(左足どうなってるんだろう)。洋楽の知識が豊富のようで、そのあたりの要素もドラミングに表れており、このバンドの楽曲はメロディはポップだが、どこか「異質」だ。

 初めてライブを観たのは大学4年生の頃で、「tricot」という別のバンドを目当てに行ったのだが、その時対バンで出演していた。(最近、絵音さんが新たに活動を始めた「ジェニーハイ」というバンドで、このtricotのボーカルも加わっており、自分としてはすごく感慨深い) 

 

 良曲ばかりだが、リズム隊を前面に押し出しているのは、記事冒頭に掲載している、この曲。スピード感とキレのあるドラムが、縦横無尽にうねるベースと絡み合い、終始低音が気持ちいい。ライドシンバルの鳴り方などを聞いていると、ジャズに通じるものを感じる。

 

 あと一曲紹介するとしたら、この曲。掲載したのはライブ映像で、演奏自体も原曲が大胆にアレンジされている。原曲のある1フレーズがひたすら繰り返され、静から動へ、演奏のダイナミクスで盛り上げていく。美しい旋律を奏でるピアノ、狂気を孕んだギターの轟音、次第に赤い熱を帯びて加速していくドラム、大事なものを失ってしまったことを嘆く様に、哀しげに、凛として歌い続けるコーラス。実際にこのライブは会場へ観に行ったのだが、あまりのエモーショナルな演奏に、終わった後に自分の手が汗でビッショリ濡れていたのを覚えている。個人的なベストテイクだと思っている。

 


indigo la End 「渚にて幻 (long ver.)」 (LIVE)

 

 

それではまた次回。